6月4日(水) 第1会場(05会議室,2F) | ||||||
セッション | [土木1] | |||||
座長 | 栗原 友和(白山工業(株)) | |||||
6月4日 | 10:10〜10:30
キャパシタカップリングを用いた牽引式電気探査は,測定器を動かすだけで測定可能なことから長大な距離を測定することに適している.このような特徴を持つ牽引式電気探査は,これまで河川堤防の弱部抽出に使われてきた.例えば,堤防の土質構成の把握や基盤漏水によるパイピング破壊のリスク評価などに適用されてきた.今回,筆者らは新しい牽引式電気探査装置を開発した.開発した装置は二種類の測定が可能である.一つ目は平板電極を用いることで詳細な浅部構造の把握が可能となり,パイピング破壊のリスク評価に有効である.二つ目は線電極を用いることで堤体から基礎地盤を含めた土質構成の把握が可能である.本稿は開発の概要について説明する.
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1) 牽引式電気探査装置の開発(その1):開発の概要 | ||||
○木佐貫 寛・小西 千里・佐藤 喜一郎・國居 裕介・松田
慎思(1),Philip I. Meldrum・Oliver Kuras(2) 1:応用地質(株),2:BGS |
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6月4日 | 10:30〜10:50
筆者らは堤防におけるパイピング破壊のリスク評価のために,平板電極を用いた牽引式電気探査を開発した.このリスク評価には堤防法尻で透水性の高い砂層とそれを被覆する粘土層の分布を把握することが重要である.平板電極を用いる利点は電極間隔や送受信器間隔を短くできる点であり,浅部の土質分布を高分解能に推定できる可能性がある.本稿では,開発したシステムの性能評価のために数値実験と野外実験を実施した.その結果,平板電極で得られる応答はその中心に位置する点電極の応答で近似できることが分かった.また,開発したシステムは表層付近に存在する非金属性のパイプを検出することができ,通常の電気探査と同等の構造評価が可能なことが分かった.以上のことから,平板電極を用いた探査システムは詳細な浅部構造の把握に有効であることが分かった.
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2) 牽引式電気探査の開発(その2):平板電極を用いた浅部探査システムの開発 | ||||
○木佐貫 寛・小西 千里・佐藤 喜一郎・國居 裕介・松田
慎思(1),Philip I. Meldrum・Oliver Kuras・Mihai O. Cimpoiasu(2),Adrian
White(3) 1:応用地質(株),2:BGS,3:ブリストル大学 |
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6月4日 | 10:50〜11:10
物理探査は、先人が、アイデアを基に理論構築し、現地検証で確認し、出来上がった技術である。その探査技術の継続・発展の責務こそあれ、退歩は考えられない。今回、非等方アレイ、直線アレイの疑問をまとめ、円周5点のSPAC係数を求めた。1)直線アレイの実証実験は行わず、精度を確認していないことが分かった。2)直線アレイの探査深度は、“微動アレイ探査の基礎理論”に、地震計展開長=探査深度と、載っていた。直線アレイの解像度の小さい理由が、判明した。3)円周5点のSPAC法の実験において、単方向のSPAC係数が、時間によって変わった。直線アレイの再現性の乏しいことが、確認できた。直線アレイは、全国標準積算資料に掲載され、公共事業に用いられている。直線アレイの理論、実験、探査深度(解像度)に関し、公平な場を設けて、審査を望みたい。
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3) 空間自己相関(SPAC)法の観測点数と探査深度に関する考察(3) | ||||
○林 久夫(1),高木 俊男(2),原口
強(3) 1:ジオックスコンサルタント(株),2:復建調査設計株式会社,3:株式会社STORY |
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6月4日 | 11:10〜11:30
稲崎富士(2008)は、河川堤防安全性評価への統合物理探査の活用に、「基盤漏水や堤体浸透では、数10m〜100mのオーダー、パイピングでは数cm〜数mのオーダーと見積もられる」と記した。瀬能真一(2013)は、「現在の統合物理探査の精度では、浸透に対する安全性が低い数m程度の区間の抽出は困難である」と報告している。MASW法で得られる速度は、地震計展開区間の平均速度であり、解像度は、地震計展開区間である。CMP解析の手順は、次の通りである。1)CMP法で、並び替える、2)MASW法の解析 高精度表面波探査の解像度が、MASWと同じであったならば、林宏一(2001)が、「MASWを発展させて、より高い分解能で速度構造を求めることが可能な表面波CMP解析を開発した」と記したことは、事実と違うということになる。
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4) 空間自己相関(SPAC)法の観測点数と探査深度に関する考察(4) | ||||
○林 久夫(1),高木 俊男(2),原口
強(3) 1:ジオックスコンサルタント(株),2:復建調査設計(株),3:株式会社STORY |
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6月4日 | 11:30〜11:50
微動アレイ探査におけるアレイサイズと探査深度の関係を検討するにあたり、SPAC法の手順を逆に用いて、探査深度の目安となる観測可能な最大波長を簡単な数値実験によって求めた。分散曲線を仮定し、観測すべきSPAC係数を求め、得られたSPAC係数に観測誤差を与えた後、再度SPAC法で位相速度を推定した。観測誤差によって生じる位相速度の推定誤差が許容範囲に入る周波数の最小値から波長を求め、観測可能な最大波長とした。異なるアレイサイズで同様の計算を行い、アレイ半径に対する最大波長およびその比を示した。比較のため、SPAC法とESPAC法による位相速度推定との違いについても示した。
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5) 微動アレイ探査のアレイサイズと探査深度に関する考察 | ||||
○小西 千里(1) 1:応用地質(株) |
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6月4日 | 11:50〜12:10
微動アレイ探査でLove波位相速度を利用できればモデル推定の精度向上に役立つ.また,観測には三角形型のアレイが一般的に用いられるが,直線アレイが利用できれば作業の効率化をはかることができる.本研究では岩手大学野球場において19台の3成分速度計を用いて直線状に5m間隔で稠密に配置したアレイで観測された微動記録を用いて、3成分空間自己相関法によりLove波の位相速度とパワー比を推定した.Love波の位相速度は,4Hzから11Hzの範囲で450m/sから200m/sの値が求まった.Love波パワー比は約50〜80%を示していた.推定された位相速度はS波速度モデルから計算した位相速度とほぼ一致した.また三角形アレイで解析した既往の研究の位相速度とも調和的であった.本研究で,Love波位相速度解析において直線アレイの有効性を示すことができたと考えられる.
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6) 直線アレイで観測された微動記録に基づく3成分空間自己相関法によるLove波の位相速度の推定 | ||||
大向 歩・○山本 英和・齊藤 剛(1),野田 克也・萬谷
亮平・鈴木 貴司(2) 1:岩手大学,2:ジオシス |
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6月4日 | 12:10〜12:30
phase weighted stackの手法を拡張させてコヒーレントではない成分を抑制するフィルター手法を紹介する。
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7) 位相コヒーレンスを用いた弾性波データ解析 | ||||
○岡田 信(1) 1:株式会社日本地下探査 |
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セッション | [都市地質][地震1][防災1] | |||||
座長 | 吉田 邦一(福井大学国際原子力工学研究所) | |||||
6月4日 | 13:50〜14:10
本論文では,二次元リニアアレイ微動記録の上下成分に地震波干渉法を適用して得られる相互相関関数と表面波探査における加振記録からそれぞれ得られる位相速度を比較した結果を示す.二次元リニアアレイ微動記録を用いる場合,表面波探査の探査可能な深さより深い地盤まで推定できることが分かっているが,両者の整合性について不明な点がある.そこで筆者らは名古屋大学東山キャンパス内の東西に延びる路上にて二次元リニアアレイ微動計測および表面波探査を実施した.二次元リニアアレイ微動記録では3〜16Hzにて,近傍のPS検層データに基づくレイリー波の理論位相速度と対応する位相速度が得られた.表面波探査では10〜50Hzで位相速度が得られたが,両者で共通する振動数範囲では表面波探査の方が遅い速度が得られた.表面波探査では起振点に近い場合は遅く伝播する記録が得られており,これが位相速度を遅めに評価する要因と考えられる.
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8) 二次元地盤構造推定を目的とした微動記録の適用に関する研究 その1:上下成分に基づくレイリー波位相速度と表面波探査との比較 | ||||
○高橋 広人(1),鈴木 晴彦(2),平井 敬・居樹
幸太朗(3),護 雅史(4) 1:名城大学,2:応用地質,3:兵庫県立大学,4:名古屋大学 |
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6月4日 | 14:10〜14:30
本論文では,二次元リニアアレイ微動記録の水平成分に地震波干渉法を適用して得られる相互相関関数から位相速度の検出を試みた結果について示す.微動記録の水平成分に対してアレイ観測点間の相互相関関数を求めたところ,測線方向(ラディアル)成分は位相の伝播する様子は上下成分と類似した結果が得られ,測線直交方向(トランスバース)成分は測線方向成分に比べてやや速く伝播する様子が確認できた.相互相関関数から算出される位相速度は、上下動成分とラディアル成分は周波数5Hz以下で概ね一致しているが、ラディアル成分の低周波数側は高次モードの影響が強くやや位相速度が速い結果となった。PS検層結果によるレイリー波の位相速度と整合的であったが、ラブ波の位相速度とトランスバース成分の位相速度を比較すると観測データの方がやや早い傾向がみられた。また、上下動成分とラディアル成分の相互相関関数の位相速度は、上下動成分の位相速度と概ね一致した。
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9) 二次元地盤構造推定を目的とした微動記録の適用に関する研究 その2:水平成分を用いた位相速度の検出 | ||||
○鈴木 晴彦(1),高橋 広人(2),平井 敬・居樹
幸太朗(3),護 雅史(4) 1:応用地質,2:名城大,3:兵庫県立大,4:名古屋大学 |
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6月4日 | 14:30〜14:50
2024年1月1日の令和6年能登半島地震により多くの建物被害や斜面崩壊が発生した輪島市町野町において、浅部の三次元的な地盤構造を求めるために、表面波探査や微動アレイ探査、単点三成分常時微動の測定を行った。探査を行って分散曲線を求めた地点は2点、常時微動の測定を行って水平上下振幅比(H/V)を求めた地点は50点である。H/Vには周波数1〜7Hzの範囲にピークが見られ、特に町野川に沿った平野部では1〜3Hzに明瞭なピークを持つ地点があった。表面波探査と微動アレイ探査は、平野中心部と東端の山沿いで行った。中心部では位相速度は周波数6Hzで100m/sec程度であるのに対して、山沿いでは10Hzで200m/sec程度であり大きな違いがあった。得られた分散曲線とH/Vから一次元S波速度構造を求めた。S波速度200m/secの高速度層の上面深度は、平野中心部では約18m、東端の山添では約6mであった。
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10) 輪島市町野町における表面波探査・微動アレイ探査 および単点三成分常時微動の測定 | ||||
山田 健太郎・古谷 元(1),○林 宏一・土井 一生・王
功輝(2) 1:富山県立大,2:京大防災研 |
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6月4日 | 14:50〜15:10
筑波山の北西山麓から真壁・協和台地に至る南北約6 km,東西約7kmの範囲を対象に稠密単点微動探査を実施した.域内の平野部には小規模な基盤岩孤立岩体の存在が知られていた.稠密な単点微動探査の結果,この孤立岩体周辺に特徴的なH/Vスペクトル比曲線を示す地点が帯状配列する分布が明らかになった.そこで探査地域を拡大し,他の地点でも基盤岩の伏在が想定されるかを調べた.測点数は355点に達した.このうち40点以上では茨城県が公開しているボーリング柱状図との対比が可能である.まずこれらの地点で柱状図情報を参考にして1Dの浅部速度構造モデルを構築した.つぎにスペクトル比形状に加え表層地形や標準層序を参考にして他地点のS波速度モデルを作成した.さらに深層ニューラルネットワークを用い,これらの単点の1Dモデルを拡大して5次メッシュ相当の稠密な浅部3D地盤モデルを構築した
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11) H/V単点微動探査による筑波山北西域の浅部3D地盤モデル構築 | ||||
○稲崎 富士(1),林 宏一(2) 1:フリー,2:京大防災研 |
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6月4日 | 15:10〜15:30
本研究では,2023年トルコ南東部地震の被災地の臨時強震観測点における増幅特性を明らかにすることを目的として,微動探査と電気探査を実施し,表層地盤のS波速度構造モデルを推定した.レイリー波位相速度と見掛比抵抗の同時逆解析を行ったところ,アンタキヤ地域では,多くの観測点で表層地盤の厚さが20m以下と薄く,S波速度200m/s程度の低速度層が数m堆積していることが明らかとなった.一方,平野部北西に位置するAFADの観測点では,工学的基盤までの深さが約40m以上と相対的に深く,既存モデルよりも軟弱層がやや厚く評価された.また,工学的基盤以浅の地盤は,主に2Hz以上の高周波数帯域における増幅特性に寄与しており,2Hz以下の低周波数帯域の増幅を説明するには不十分であることが明らかとなった.このことから,被災地域の地震動特性をより詳細に把握するためには,深部地盤のモデル化が不可欠であると考えられる.
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12) 2023年トルコ南東部地震の被災地域における微動探査 | ||||
○大野 登羽・山中 浩明・津野 靖士(1),高井
伸雄(2),吉見 雅行(3),三宅 弘恵(4),笠松健太郎(5),Oguz Ozel(6),Ozgur Tuna Ozmen(7),Deniz
Caka(8),Pinar Duran(6),他 1:科学大,2:北大,3:産総研,4:東大,5:鹿島技研,6:イスタンブール大,7:AFAD,8:コジャエリ大 |
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6月4日 | 15:30〜15:50
宮城県石巻市桃生町では、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(本震)により、局所的に深刻な建物被害が生じた。過去の調査では、本震時、この地域では表層地盤や地下構造の違いなどにより、局所的に地震動が増幅された可能性が高いことが指摘されている。そこで、本研究では、本震時の地震動の局所的な変化を明らかにするため、桃生町において超高密度地震観測を行っている。観測点は40点、観測期間は2024年6月から2025年6月の約1年間である。調査地域内に設置されている震度計近傍の1地点を基準とし、他39地点との地震動のフーリエスペクトル比を求めた。その結果、震度観測点に対して相対的に増幅される周波数帯域が地点ごとに異なることがわかった。また、震度計で観測された本震の波形フーリエスペクトルに2地点間のフーリエスペクトル比をかけることで、各観測点における本震の地震動を推定した。
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13) 宮城県石巻市桃生町における超高密度地震観測と揺れやすさ評価 | ||||
○青木 大地・東 宏幸(1),渡辺 俊樹(2),白石
和也(3),小田 義也(1) 1:都立大,2:名古屋大,3:JAMSTEC |
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6月4日(水) 第2会場(04会議室,2F) | ||||||
セッション | [斜面][インフラ維持管理] | |||||
座長 | 鈴木 敬一 (公益財団法人深田地質研究所) | |||||
6月4日 | 10:10〜10:30
地すべり地のS波速度構造モデルを推定するために、徳島県の2つの地すべり地で微動アレイ観測を行い、位相速度分散曲線を推定した。微動レベルとコヒーレンスは両地点とも比較的小さいが、H/V曲線にはピークが現れた。SPAC法を適用したが、高次モードや低コヒーレンスの影響からか、1つの分散曲線を選択することは難しさがあったため、複数の分散曲線をそれぞれ逆解析を行い、複数のモデルを推定した。これらのモデルは互いに類似しており、PS検層のS波速度構造モデルとも合った。特に、表層付近のモデルはよく類似していた。地すべり地では、地すべり地以外では見られない低速度層があることがわかった。
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24) 徳島県の地すべり地における微動アレイ探査によるS波速度構造モデルの推定 | ||||
○地元 孝輔・藤井 健人・長谷川 修一・山中 稔・野々村
敦子・荒木 裕行(1),大久 雅貴・青野涼音・露口 耕治(2) 1:香川大,2:四電技術コンサルタント |
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6月4日 | 10:30〜10:50
地すべり地における微動探査の適応性を検討するため、四国の2つの地すべり地で微動アレイ探査を行った。アレイ形状は同心3重正三角形である。位相速度分散曲線の推定には拡張SPAC法を適用した。推定されたモデルは、深度20mまたは45m付近でS波速度構造が増加することを示しており、これは先行研究で報告されている辞意版構造と概ねと一致している。両地点とも、H/Vスペクトルのピーク周波数は3Hzであった。微動アレイ探査とH/Vスペクトルから推定されたS波速度構造は類似している。微動アレイ探査は地すべり地で有効であることが示唆された。
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25) 四国の地すべり地における微動探査事例 | ||||
○大久 雅貴・露口 耕治・青野 涼音(1),長谷川
修一・山中 稔・野々村 敦子・荒木 裕行・地元 孝輔 (2),池田 達紀(3),長田 朋大(4) 1:四電技術コンサルタント,2:香川大学,3:九州大学,4:ナイバ |
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6月4日 | 10:50〜11:10
地下の比抵抗は水飽和率や電気伝導度に依存することが知られており,電気探査比抵抗法による比抵抗モニタリングをリアルタイムで実施することで,降雨由来の斜面崩壊(表層崩壊)を事前に検知することが可能であると考えられる.本研究では,斜面崩壊の事前検知を目標とした電気探査法による長期モニタリングを実施した.また,使用した比抵抗モニタリング装置に特化した1次元順解析プログラムを実装し,計算速度の高速化を達成した.さらに,ART-RCG法による1次元逆解析プログラムを実装し,比抵抗モニタリングの逆解析手法として適用可能であることがわかった.今後の比抵抗モニタリングでは,地下水位を同時測定することで,逆解析結果の妥当性を評価することが必要である.また,逆解析における解析条件を検討し,より高精度かつ高速な解析の実現が重要となる.
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26) 斜面崩壊事前検知のための電気探査法による長期モニタリングとデータ解析手法の検討 | ||||
○岩ア優介(1),宮本 虎之介(2),上田
匠(1),上原 大二郎・竹田 和弘(3) 1:早大,2:早大・院,3:中央開発 |
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6月4日 | 11:10〜11:30
既設鉄塔及び送電線の直近でドローンによる空中電磁探査の実験を行い,送電設備が受信波形に与える影響の有無とその要因を調査した.その結果、架空地線の誘導電流による受信波形の減衰が確認された。これらの影響は、接地電線型の送信源を送電線からできるだけ遠ざけるか、ループ型の送信源を使用することで最小限に抑えることができる。受信波形には送電線の交流電流に伴う周期的な波形も示されたが波形のスタッキング処理により対処することが出来ると考えられる。
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27) 送電設備がドローン電磁探査の測定に与える影響 | ||||
○森藤 遥平・窪田 健二(1),城森 明(2),中村
元紀・上田 匠(3) 1:電中研,2:ネオサイエンス,3:早大 |
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6月4日 | 11:30〜11:50
ドローンを用いた空中電磁探査は,従来のヘリコプター搭載システムと比較して,小規模調査や浅部地下探査に有効な手法として注目されている。本研究では,送信器・受信器両方を曳航するドローン搭載型過渡応答電磁(TEM)法のデータ逆解析について検討した。地上/空中TEMの逆解析には非線形最小二乗法や勾配法が一般的に用いられるが,連続データ取得により大量のデータセットが生成され,計算効率が課題となる。深層学習(Deep Learning,DL)は大規模な空中電磁探査データ解析に有効性を示しているが,ドローン電磁探査への応用はまだ十分に研究されていない。本研究では,様々なDLネットワークモデルと正則化共役勾配(RCG)法を用いて実際のドローンTEMデータの1次元逆解析を実施した。そして,各ネットワークモデルの特性と結果の比較評価を行うことで,ドローンTEM探査の解析手法におけるDL適用可能性を示した。
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28) ドローン時間領域空中電磁探査における深層学習逆解析の適用可能性 | ||||
中村 元紀・西野 玉城(1),○上田 匠(2),森藤
遥平・窪田 健二(3),城森 明(4) 1:早大・院,2:早大・理工,3:電中研,4:ネオサイエンス |
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6月4日 | 11:50〜12:10
近年,インフラ設備の老朽化が進行し,その更新が急務となっている。また,デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い,地理情報システム(GIS)を用いた複数情報源の統合と活用がインフラ整備において重要性を増している。本研究では,産業技術総合研究所(AIST)が開発した高周波交流(VLF-AC)電気探査システムを用いた水道管の腐食調査の高度化を目指した。まず,無人走行車(UGV)で牽引するVLF-ACによる高効率連続測定の高効率化を現地実験と数値シミュレーションにより検討した。その結果,走行回数を減らしても地下構造推定が可能であり,また,屈曲測線のデータも活用できることを示した。次に,探査データと地理情報の統合について,ポイントデータ表示では各測定点の探査データを保持したまま,テクスチャマッピング手法ではすべての深度のデータを低計算機負荷で可視化できることを明らかにした。
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29) 牽引型高周波交流電気探査における連続測定の高効率化および探査データと地理情報の統合 | ||||
○神山 優恵(1),市川 雅之(2),上田
匠(1),神宮司 元治・横田 俊之(3) 1:早大,2:早大・院,3:産総研 |
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セッション | [地熱][資源探査][放射性廃棄物] | |||||
座長 | 木佐貫 寛(応用地質) | |||||
6月4日 | 13:50〜14:10
本研究では,接地電線とSQUID磁力計を用いた時間領域電磁探査データの逆解析を実施した。具体的には正則化共役勾配(RCG)法とモデルパラメータ重み付けによる再重み付け正則化共役勾配(RRCG)法を実装し,人工の比抵抗3層モデルに対する解析の適用と評価を実施した。その結果,RRCG法は低比抵抗帯域に対して高い感度を示し,浅部における比抵抗フィッティングにおいてRCG法よりも良好な結果を示すことが分かった。さらに,本研究で実装したRRCG法を地熱地域での実データにも適用し,有効であることを確認した。
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30) 接地電線を用いた時間領域電磁探査法データに対する正則化勾配法逆解析 (RCG 法及び RRCG 法)の適用と評価 | ||||
○三井 一毅(1),幸 眞太郎(2),上田
匠(1) 1:早大,2:早大・院 |
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6月4日 | 14:10〜14:30
地熱貯留層探査では,生産性の高いフラクチャーの位置を推定することが重要である.電磁探査はその可能性を持っており,比抵抗分布はキャップロック下の地熱貯留層内でのオープンフラクチャーが集中する領域(Dens fracture zone)の推定に利用できる.本研究では,流体温度と比抵抗の関係に関する先行研究(Kummerow and Raab, 2015)のデータを用いて,地熱貯留層の適切なモデリングのためのArchieの式を用いた岩石の比抵抗の推定方法を検討した.そこから,地熱貯留層の岩石の比抵抗は孔隙率,温度,流体の性質に依存することを確認し,孔隙率の影響が温度の影響より大きいことが判明した.この関係から作成した比抵抗モデルを用いて,MT法の3次元モデリング結果の見掛比抵抗からDens fracture zoneによる比抵抗異常を評価し,さらにモニタリングの可能性を検討した.
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31) 地熱貯留層の比抵抗モデルおよびMT応答の検討 | ||||
○伴 英明・田中 俊昭・水永 秀樹(1) 1:九州大学 |
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6月4日 | 14:30〜14:50
MT法の電場測定に用いられる鉛-塩化鉛などの非分極電極は、塩水中に保管する必要があり、内部の鉛線や塩化鉛を含むゲルなどが経年劣化することがある。そのため、精度の高い電場測定を継続するためには、定期的な電極の保守作業が必要である。本研究では、MT法における電場測定用の新しい電位電極の開発を目的として、鉄、ステンレス、導電性樹脂、チタンなどに対して異なる条件下における安定性、ノイズ特性、耐久性を評価した。実験室と野外測定による評価を行い、導電性樹脂とチタン電極は、電場の測定に関して、従来の塩化鉛-鉛電極と遜色ない測定が期待できることがわかった。本研究により、これらの新しい電極はMT法による長期のモニタリング測定に対して可能性を示唆している。
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32) MT法のための新しい電位電極の開発を目的とした基礎的研究 | ||||
○田中 俊昭・古川 浩幸・水永 秀樹・橋本
幸治(1) 1:九大 |
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6月4日 | 14:50〜15:10
「電磁探査法は、高レベル放射性廃棄物の「地層処分」を含む様々な目的のために、各種地質構造の調査に広く受け入れられてきた。しかし、特に処分候補地として挙げられる沿岸部では人間活動が活発でり、それらより人工的電磁ノイズが発生する。そのため、沿岸部における電磁探査法の適用はデータ取得と分析の両面において課題となる。したがって本研究では、比抵抗や地下水流動などの地下特性を明らかにするために、探査手法としてTDEM(時間領域電磁探査)法に焦点を当てる。そして、人工的電磁ノイズを含む地域におけるTDEM法の適用評価と確立を目指す。さらに、本研究ではそのような地域における測定データの分析手法に関する新たな知見を提供する。」
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33) 沿岸部の地下水構造把握を目的とした人口密集地域におけるTDEM 法の適用とデータ解析例 | ||||
○桃津 花・上田 匠(1),渡邉 英彦・石川
秀浩(2),井川 怜欧(3) 1:早大,2:MINDECO,3:産総研 |
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6月4日(水) コアタイム:第1会場(05会議室,2F),展示:展示会場(03会議室, 2F) | ||||||
セッション | [ポスター(コアタイム)] | |||||
座長 | 田中 俊昭(九州大学) | |||||
6月4日 | 16:10〜17:50
本研究では、電気探査法の人体内部構造可視化の可能性(特に骨折診断への適用可能性)を検討した。電気探査法と同様の技術は医療科学分野でも用いられつつあり、電気インピーダンス・トモグラフィ(EIT)と呼ばれている。EITは体表面から微弱な電流を流し、抵抗率分布から人体内部構造を可視化する技術で、他の組織よりも高い抵抗率をもつ肺や脂肪を可視化の主な対象としている。しかしながら、EITは体内深部の解像度が低いこと、また肺のように大きく変形する臓器においてはその伸縮に伴って電極位置が変化するという課題があり、国内外での臨床診断への普及が進んでいない。そこで本研究では、腕部・脚部の比抵抗構造の時間変化に基づく骨折治癒判定の可能性に注目した。人体を模した試料(模擬生体)上で電気探査を実施した結果、骨折直後と骨折治癒後の比抵抗分布の違いから骨折損傷部の経時変化の検出が可能であることが示唆された。
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P-1) 比抵抗トモグラフィの医療への応用 −骨折診断のための基礎実験− | ||||
○大島 由有希・後藤 忠徳(1) 1:兵庫県立大学 |
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6月4日 | 16:10〜17:50
2024年能登半島地震で被災した富山県氷見市間島,栄町,北大町を対象として写真画像による被災度判定を行った.また,同地域の19地点において微動アレイ探査を実施し,被災度判定結果との比較を行った.さらに,得られた地下構造から液状化可能性指数PL値を算出した.調査地域は全体的にPL値が高いものの,いくつかの地点では相対的にPL値の低い地点が存在することがわかった.以上のことから,被害の主要因は液状化であると考えられるが,PL値が低く建物が倒壊した地点では強震動による影響も強く受けている可能性があると考えられる.
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P-2) 2024年能登半島地震における氷見市間島・栄町・北大町の建物被害と地下構造 | ||||
金山 颯馬・佐藤 優剛(1),宮野 道雄・生田
英輔(2),落合 努・荏本 孝久・朱牟田 善治(3),長谷川 延広(4),東 宏幸・○小田 義也(1) 1:都立大,2:大阪公立大,3:神奈川大,4:東京電機大 |
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6月4日 | 16:10〜17:50
2024年能登半島地震で大地震動が観測された志賀町富来地区および輪島市内で実施した微動アレイ観測と、強震記録の解析の結果を報告する。志賀町富来では、防災科研KiK-netのISKH04観測点付近で半径約30m〜1.2 kmの微動アレイ観測を行った。観測記録をf-k法およびSPAC法により解析し、約0.4〜6 Hzで約0.46〜4.8 km/sの位相速度を得た。J-SHISによる直下の速度構造モデルから計算される基本モードの理論位相速度と比較すると、約1 Hz以上で整合していた。輪島では差し渡し約200 mの範囲に11観測点からなるアレイを展開し、微動を観測した。市街地での測定のためノイズが多かったことから一部の記録を用いて解析し、堀川・他(2010)と整合的な結果が得られた。また、本震の強震記録から変位波形を計算し、最大で1.5 m程度の大きな変位が求められた。
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P-3) 石川県志賀町富来および輪島市内での微動観測と強震記録の特性 | ||||
○吉田 邦一・佐藤 文香・長妻 希歩(1),染井
一寛(2),倉橋 奨(3) 1:福井大,2:GRI財団,3:愛工大 |
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6月4日 | 16:10〜17:50
近年の土木現場において、地中レーダ(GPR)を広く利用するためには、電磁波の伝播速度を高い精度で推定することが、重要な課題となっている。そこで、伝播速度と深度を推定する際に適用する、基本的な前処理手続きの影響や改善効果を、数値計算により分析した。ゼロオフセット処理は一般的な解析では不要であるが、速度や深度の推定精度の向上には有効である。一般的な3種類の速度解析手法の推定精度は十分に高く、主な推定誤差は解析対象イベントの選択など他の要因によるものである。マイグレーション処理に用いる入力速度は、実際の伝播速度よりも大きい値とすると良好である。
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P-4) 表層地盤の波動伝播解析に基づく地中レーダの解析手続きの改善に関する考察 | ||||
○尾西 恭亮・上田 拓哉(1) 1:土研 |
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6月4日 | 16:10〜17:50
CCS貯留層モニタリングシステムの開発の一環として、海底常設型の震源の開発を行っているが、海底に常設でき、海洋生態系への影響が小さい環境調和型震源(非パルス型振源)としての水中スピーカーの有効性を評価するため、3000m級深層観測井において、市販の水中スピーカーと坑井内に展開したDAS(Distributed Acoustic Sensing)観測システムを用いた発振実験を実施した。取得されたデータの解析の結果、直達波が約640mの深さまで到達することを確認した。
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P-5) 「海底常設震源の開発」に向けた水中スピーカー発振実験 | ||||
浅井 康弘(1),塚原 均(2),○栗原 友和・前田
卓哉・山手 勉・黒田 徹(3),鶴 哲郎(4),村上 文俊(2),吉田 稔(3) 1:東京パワーテクノロジー,2:地科研,3:白山工業,4:湘南地質地質探査研究所 |
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6月5日(木) 第1会場(05会議室,2F) | ||||||
セッション | 特別講演 | |||||
座長 | 林 宏一・小暮 哲也(京都大学防災研究所) | |||||
6月5日 | 13:30〜13:40 | 趣旨説明 | ||||
6月5日 | 13:40〜14:40 | 道路土工構造物のSHM(structuralhealth monitoring)における物理探査への期待 | ||||
八嶋 厚 氏(岐阜大学特任教授) | ||||||
6月5日 | 14:40〜15:40 | 城郭石垣の安定性評価における物理探査の適用事例〜失敗例を中心に〜 | ||||
山中 稔 氏(香川大学教授) | ||||||
セッション | [特別セッション] 物理探査の斜面未災学への貢献 | |||||
座長 | 林 宏一・小暮 哲也(京都大学防災研究所) | |||||
6月5日 | 16:00〜16:20
地すべり対策工を検討する上で、すべり面深度・形状を特定することは重要であるが、活動性が高く地すべりブロック内で地質調査ボーリングを実施できない場合、すべり面を確認することができない。今回地すべりブロック内外で常時微動探査と表面波探査を実施し、地すべり移動土塊と不動岩盤の境界の特定を試行した。その結果、地すべりブロック内の計測点の一部で明瞭な分散曲線の屈曲が得られたが、地すべり移動土塊とブロック外斜面のS波速度を区別することは出来なかった。今後詳細な分析が必要と考える。
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101) 地すべり対策設計と物理探査 | ||||
○石田 勇人(1) 1:日本工営 |
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6月5日 | 16:20〜16:40
著者らはこれまでに,地下の電流の流れが,亀裂や空隙,地下水分の存在によって影響を受け,周波数依存性を示す可能性について検討してきた.このような周波数依存の挙動は,マクスウェル方程式における変位電流項(すなわち誘電率項)に起因すると考えられる.したがって,測定データを逆解析して誘電率の変化を推定することで,従来の比抵抗に加えて異なる物理特性に基づいた地下評価が可能となる.この手法は,特に地下水の挙動を研究する上で,新たな知見をもたらすことが期待される.本研究では,この手法を地すべりや斜面崩壊のリスクがある地域に適用した.地質条件および地下水の状態については,既存データと比抵抗および誘電率の測定結果を併せて解釈した.
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102) ドローン空中電磁探査による周波数依存効果(変位電流項)の解析と地質地下水解釈ー地すべり地区への適用ー | ||||
○城森 明・十山 哲也(1),金山 健太郎(2),野々村
敦子(3),木下 篤彦(4) 1:ネオサイエンス,2:大日本ダイヤコンサルタント,3:香川大,4:国土交通省 |
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6月5日 | 16:40〜17:00
本発表では,分布式光ファイバセンシングを用いた斜面変形観測の結果を報告する.斜面災害発生と水の存在との密接な関係を考慮すると,地下水位の変化とひずみ変化との関係解明が重要である.地下水位の変化はアクティブヒーティング実施時の温度変化として検出可能である.アクティブヒーティングとは,ボーリング孔内に設置された金属製のワイヤーを加熱しボーリング孔周辺の温度を変化させる方法である.我々は,速い水位変化も捉えるためデータ取得時間が数ミリ秒である位相ノイズ補償型光周波数領域反射率測定法(PNC-OFDR)を用いることとした.PNC-OFDRの有効性確認の室内試験では,直径77 mm,長さ2,000 mmのモルタル試料表面における高水分領域の位置を検出した.これにより,斜面変形観測への適用可能性が示された.そこで,光ファイバケーブルを加熱用ケーブルと共に50 mの深さのボーリング孔に設置し,現在,斜面変形プロセス解明のためデータ解析を実施中である.
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103) 光ファイバセンシングを用いた温度・ひずみ変化測定による斜面変形観測 | ||||
○小暮 哲也(1),Ashis Acharya・谷村
大輝・張 超・伊藤 文彦(2),榊 敏博(3),小松 満(4),土井 一生(1) 1:京大防災研,2:島根大,3:ESEコンサルティング,4:岡山大 |
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6月5日 | 17:00〜17:20
過去に豪雨により崩壊した斜面の脇で微動アレイ探査を実施した。斜面沿いに2m間隔で15台の地震計を直線状に設置し、15〜20分程度計測した微動データをCMP-SPAC法により解析した。解析にあたっては、水平分解能が低下しないよう、使用する受振器間隔を最大20 mとした。4m毎に非線形最小二乗法による逆解析を行い、2次元のS波速度分布を求めた。得られたS波速度分布から表層の風化土層厚が推定でき、その結果は別途実施したサウンディング調査とも整合的であった。直線配置の微動アレイ探査であり、微動の到来方向に偏りがあった場合には推定したS波速度の絶対値は正確ではない可能性が残るものの、斜面の弱部の検出という点では十分に目的を達成できた。
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104) 地すべり崩壊斜面での微動アレイ探査の適用 | ||||
○小西 千里・根本 雅夫(1) 1:応用地質 |
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6月6日(金) 第1会場(05会議室,2F) | ||||||
セッション | [CO2_1][地震2][防災2] | |||||
座長 | 地元 孝輔(香川大学) | |||||
6月6日 | 9:00〜9:20
ミュオグラフィの室内実験の高精度化を目指している。ミュオンの計数率は気象変動の影響を受けやすく、測定精度に限界があった。本研究では、同一仕様のミューオン検出器を2台使用し、ターゲット測定と同時に背景宇宙線フラックスを記録する参照測定系を導入した。ターゲットデータを背景データで正規化することにより、データの信頼性が大幅に向上した。手法の検証のため、厚さ20〜80 cmのアクリルターゲットおよびアルミニウム立方体を測定し、伝播データにベイズ推定を適用して密度を評価した。アルミニウムの推定密度は2.713±0.454 g/cm3であり、実際の密度2.700 g/cm3と非常に良い一致を示した。本手法は、室内ミュオグラフィ実験の高精度化に有効であり、今後、CCSモニタリングに向けた坑井型ミュオグラフィなどの応用展開に貢献すると期待される。
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14) リファレンス測定によるミュオグラフィ室内実験の高精度化 | ||||
バシリ ハミッド(1),児玉 匡史(2),○松島
潤(1),横田 俊之(2),アリ モハメド・ブチャラ ファテ・エルスランボリ アハメッド(3),田中 宏幸(4) 1:東大・院・新領域,2:産総研,3:ハリファ大学,4:東大・地震研 |
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6月6日 | 9:20〜9:40
近年の気候変動は生活や生態系に甚大な被害をもたらし,二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量削減が国際的に呼びかけられている.しかし,急速な削減は困難であるため,二酸化炭素を分離・回収して地下に貯留するCCS技術の重要性が高まっている.CCSでは,圧入後の二酸化炭素の挙動を把握するためのモニタリングが不可欠であり,弾性波探査は二酸化炭素の分布を高感度で捉える技術として利用されている.なかでも比較的新しい技術であるFWIは,全波形記録を解析に用いることで従来手法よりも高解像度・高精度な速度構造推定が可能とされている.本研究では,CCSモニタリングを想定した速度モデルを作成し,時間領域FWIを実装して速度モデルの推定を行った.さらに,二酸化炭素圧入に伴う速度低下量を変化させ,FWIによる速度低下量の検出率を検証した.その結果,真の速度低下量に依存せず,約50~70%の検出率を得られることを確認した.
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15) 時間領域FWIによるCCSに伴う速度低下量検出率に関する数値シミュレーション | ||||
○上村 建人(1),湊 翔平・横田 俊之・児玉
匡史(2),上田 匠(3) 1:早大・院・理工,2:産総研,3:早大・理工 |
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6月6日 | 9:40〜10:00
神津島は, 「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として24時間体制で観測が行われている活火山である. 神津島周辺では, 有史以降複数回群発地震が発生しており, 2000年の群発地震では, 地殻変動やマグマダイクの貫入が確認された. 先行研究では, 神津島直下に溶融体がある可能性や, 溶融体の存在と地震発生の関連性について言及している.本研究は, 火山防災に寄与する基礎資料の獲得を目的に, 臨時稠密地震観測及び常設地震観測データを用いてDouble-Difference Tomography法(Zhang and Thurber, 2003)で神津島の3次元速度構造の推定を行った. 結果は,深さ0~6kmの範囲で良好で神津島直下深さ0~8kmに鉛直方向に連続する低Vp領域が見られた. しかし,同領域のVp/Vsは低く,溶融体の存在を示唆する結果は得られなかった."
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16) 稠密地震観測データを用いたDouble-Difference Tomography法による神津島の3次元速度構造 | ||||
○中島 慈朗・Adrianto Widi
Kusumo・東 宏幸・小田 義也(1) 1:都立大 |
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6月6日 | 10:00〜10:20
海洋研究開発機構では、地震発生帯の地質構造理解のため、南海トラフの全域にわたり継続的に地殻構造探査を行なってきた。東部南海トラフは、1944年昭和東南海地震の発生域であり、その海溝側の地殻浅部ではスロー地震が繰り返し発生することが観測されている。また、過去の調査で指摘された古銭洲海嶺の沈み込みについて、海嶺の詳細な形状や空間連続性は未解明である。そこで、2022年以降、熊野灘沖から遠州灘沖において、高密度な測線に沿って「かいめい」による海上マルチチャンネル反射法探査を実施し、沈み込むプレートの基盤上面形状や上盤側の地質構造を調査した。その結果、古銭洲海嶺は従来の推定よりも西方へ延びている可能性が示唆された。また、沈み込む基盤上面の顕著な起伏の影響を受けたと考えられる、付加体内部および熊野前弧海盆南部の断層分布の特徴が明らかとなった。
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17) 稠密地震探査による南海トラフ東部の地殻構造調査 | ||||
○白石 和也・新井 隆太・三浦 亮・野 徹雄・中村
恭之・藤江 剛・三浦 誠一(1) 1:JAMSTEC |
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6月6日 | 10:20〜10:40
LUNAR-A計画で開発が行われたペネトレータは,その計画中止後にも火山や南極のような極限環境で,観測「できる」場所から観測「したい」場所へと,観測範囲の拡張させるために開発が継続されてきた.ペネトレータはそれ自体が観測プローブとして働き,ドローンにより地中に貫入させることで,観測点を設置することができる観測機器である.本研究は極限環境における物理探査手法として,ペネトレータの概要について紹介し,スタディケースとしてJARE64~66(Japanese Antarctic Research and Expedition)における観測結果について報告する.JAREにおける観測では,氷河流動の測位データ,氷震による地震・インフラサウンドデータを得ることができた.また,南極―白瀬氷河での測地ペネトレータから得られた結果をもとに,今後のペネトレータの安定的観測に向けた機械要素・機構についての検討を行った.
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18) ペネトレータを利用した氷河流動の測位と今後の機械要素開発 | ||||
○山本 耕大・山本 真行・西川 泰弘・平塚
丘将(1),佐伯 和人・谷口 亮太(2),田中 智(3) 1:高知工科大学,2:立命館大学,3:宇宙研 |
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セッション | [CO2_2][メタンハイドレート] | |||||
座長 | 白石 和也(海洋研究開発機構) | |||||
6月6日 | 11:00〜11:20
従来の繰り返し弾性波探査に代わる効率的なCCSモニタリングの手法として、近年、光ファイバケーブルを用いたDAS-VSP技術の適用が広がっている。記録品質および再現性の観点からはBehind casing方式による恒久的な光ファイバケーブルの設置が理想的であるが、設置作業の難易度や費用対効果の観点からはワイヤライン方式によるRetrievableな光ファイバケーブルの設置が選択される場合がある。本研究では、CCSモニタリングの最適化に向けて、2度にわたりワイヤライン方式によるDAS-VSPのデータ取得実験を実施し、タイムラプスデータを取得した。坑内の静穏で表層の影響を受けない環境で実施されるDAS-VSPは、ワイヤライン方式であってもフィールド記録とイメージング結果のいずれにおいても高い再現性を得ることが可能であり、CCSモニタリングの手法として有効な選択肢になり得ることを確認した。
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19) ワイヤラインDAS-VSPによるタイムラプスデータ取得実験 | ||||
○今井 優希・新部 貴夫(1),加藤
政史(2) 1:石油資源開発,2:地科研 |
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6月6日 | 11:20〜11:40
CO2地中貯留事業における地下モニタリング手法には,CO2圧入に伴って貯留層内に生じる弾性波速度の低下を検出可能な技術が求められる.特にCO2の漏洩経路となるリスクが高い範囲としてかねてから坑井近傍が指摘されており,坑井近傍をより頻回に評価する必要がある.本検討では,坑井内DASを用いたVSP配置の3次元走時トモグラフィに着目し,試験フィールドにおける実データの取得・解析および数値実験を通じて,その有用性を検討した.VSPデータのみを用いた解析の結果,既知の地質構造と概ね調和的な3次元P波速度構造を推定でき,また,速度の逆転を伴う低速度領域が検出できた。さらに,経時的な速度低下を想定した数値実験においても,速度低下領域を再現できることを確認した.これらの結果から,本手法は坑井近傍における弾性波速度の低下を検出可能であり,CO2モニタリング手法として有用であることを示した.
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20) CO₂モニタリング手法としてのDASを用いたVSP配置3次元走時トモグラフィの検討 | ||||
○佐藤 礼・菊池 竜之介(1),浅川 真也・成田
憲文・高岡 宏之(2) 1:4Dジオテック,2:大日本ダイヤコンサルタント |
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6月6日 | 11:40〜12:00
表層型メタンハイドレートの賦存が確認されている日本海沿岸の三海域(上越沖、丹後半島沖、酒田沖)で取得した高分解能音響調査データに基づき、表層型メタンハイドレートの発生、成長、消失を説明するシナリオの構築を試みた。三海域は地形的特徴が異なるが、いずれも構造性断層がメタンを含む流体を地下深部から浅部へ運ぶ重要な役割を担っていると考えられ、その流体が海底下浅部でメタンハイドレートの形成を始めた時に巨大化し、かつそれが海底下で消失した場合にポックマークを形成する、というシナリオをもって、場合わけをすることで一般化できる。
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21) 表層型メタンハイドレートの生成ー成長ー消失シナリオ:日本海酒田沖・上越沖・丹後半島沖の例 | ||||
○浅田 美穂・宮川 歩夢(1) 1:産総研 |
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6月6日 | 12:00〜12:20
表層型メタンハイドレート(MH)分布域において,MHの集積および賦存形態の把握を目的とし,二次元,高密度三次元,深海曳航方式,およびOcean Bottom Node(OBN)方式による複合的な反射法地震探査を実施した.有効周波数帯域の異なる大型エアガン(約4-150 Hz),GI-Gun(約4-300 Hz),Sub-Bottom-Profiler(約500-2,400 Hz)の3種類の震源と,多様なデータ取得ジオメトリを組み合わせることで,センチメートルからキロメートルスケールの地下構造を可視化可能なマルチスケール反射法地震探査を実現した.本講演では各探査手法のデータ取得仕様,観測装置構成および得られた地震探査記録の特徴について報告する.
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22) 表層型メタンハイドレート分布域におけるマルチスケール反射法地震探査技術の開発と適用(その1:データ取得) | ||||
齊藤 秀太郎・五百部 理・寺西 陽祐・佐藤 紀男・青木
憲吾・村上 文俊・○赤間 健一(1),横田 俊之・山口 和雄・棚橋 学(2),他 1:地科研,2:産総研 |
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6月6日 | 12:20〜12:40
表層型メタンハイドレート(MH)分布域において,MHの集積および賦存形態の把握を目的と表層型メタンハイドレート(MH)分布域において,MHの集積および賦存形態の把握を目的とし,二次元,高密度三次元,深海曳航方式,およびOcean Bottom Node(OBN)方式による複合的な反射法地震探査を実施した.有効周波数帯域の異なる大型エアガン(約4-150 Hz),GI-Gun(約4-300 Hz),Sub-Bottom-Profiler(約500-2,400 Hz)の3種類の震源と,多様なデータ取得ジオメトリを組み合わせることで,センチメートルからキロメートルスケールの地下構造を可視化可能なマルチスケール反射法地震探査を実現した.本講演では各探査手法のデータ処理仕様,イメージング品質改善に寄与した処理項目について報告するとともに,各手法によるイメージング結果の比較からそれぞれの手法の有効性と課題を整理する.
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23) 表層型メタンハイドレート分布域におけるマルチスケール反射法地震探査技術の開発と適用(その2:データ処理) | ||||
寺西 陽祐・齊藤 秀太郎・五百部 理・○赤間
健一(1),横田 俊之・山口 和雄・棚橋 学・児玉 匡史・湊 翔平(2) 1:地科研,2:産総研 |
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6月6日(金) 第2会場(04会議室,2F) | ||||||
セッション | [埋設物][地下水][土木2] | |||||
座長 | 尾⻄ 恭亮(国立研究開発法人土木研究所) | |||||
6月6日 | 9:00〜9:20
GPRと金属探知機を組み合わせたデュアルセンサーについて、新たなアルゴリズムを開発し、ウクライナ、カンボジア、コロンビアなどの地雷被災国に導入する人道的地雷除去活動の現状を紹介する。我々が開発したデュアルセンサーは、GPRの問題であるクラッタによる誤信号を、手動での走査でありながら位置情報を取得できるシステムとしたことでGPRにマイグレーションを適用し3次元画像の再構成、Cスキャン表示を行うことで解決した。我々が開発したデュアルセンサはウクライナ、カンボジアを始めとする地雷被災国で実稼働している。
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34) デュアルセンサを利用したウクライナでの人道的地雷除去 | ||||
○佐藤 源之・斎藤 龍真(1) 1:(株)ALISys |
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6月6日 | 9:20〜9:40
本報告では,地中レーダデータから埋設物形状を推定する技術を提案する.本手法は,代表的な3種の構造(単一円形断面; SCC,単一矩形断面; SRC,複数円形断面; MCC)由来の反射像形状を物体反射モデルとして定式化し,反射像の前縁の適合度を非線形最小二乗法に基づくフィッティングで評価する.まず,電磁波シミュレーションで得たデータでモデルの妥当性を検証し,決定係数として0.99以上を確認した.次に,13の実験条件で計測したデータに対して同手法を適用した.フィッティングの収束性向上のために一部パラメータの事前推定手法を検討し,その適用により収束解を得た.適合度により妥当なモデルを選択し,SCCについて100% (2/2),SRCについて67% (2/3)の分類精度を確認した.MCCでは,SRCとの有意差が得られなかったため,今後,反射像全体に対するフィッティング手法等について検討を継続する.
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35) 地中レーダ法による地下構造物の形状推定 | ||||
○川原 綾太朗・礒部 敦・桐山 愛・奥村 忠嗣・川本
高司(1) 1:日立製作所 |
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6月6日 | 9:40〜10:00
本報告では,地中レーダ法により得られた同一埋設物由来の反射像を識別する技術を提案する.本手法では,地中レーダデータから反射像を切り取り,ニューラルネットワークによる特徴抽出モデルに入力することで特徴量を算出し,k-means法により反射像の識別を行う.金属とコンクリートの2種類の埋設管を含むシミュレーションデータを用いて検証を行い,提案手法により反射像の85%(171/200)を正しく識別した.さらに,反射像の形状に合わせたマスクをかけてから特徴抽出をすることで識別性能は向上し,反射像の92%(185/200)を正しく識別することを確認した.さらに,3種類の埋設物を含む実験データを用いて検証を行い,提案手法による正解率は75%(6/8)であること,および正解率は特徴抽出モデルをファインチューニングすることにより向上することを確認した."
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36) 地中レーダ法における特徴抽出モデルを用いた埋設物識別 | ||||
○桐山 愛・川原 綾太朗・奥村 忠嗣・礒部 敦・川本
高司(1) 1:日立製作所 |
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6月6日 | 10:00〜10:20
地中レーダの受信波形データから土層の電磁波伝播速度構造を求めることで,土壌の比誘電率およびそれと高い相関関係にある体積含水率の分布を推定することができる.高解像度の比誘電率分布を求めるためには,受信波形全体の情報を用いる全波形逆解析が望ましい.しかし,全波形逆解析では数値解析部分の計算量が多く,空間的に密なデータが必要であるという課題がある.そこで,本研究では物理情報を組み込んだ深層学習モデルを全波形逆解析に用いて,土層の地表面および側面の受信波形データから土層内の電磁波伝播および比誘電率分布を予測することを目的とする.本研究では,地表面に設置した点源の発信アンテナから放射されるTMモードの1 GHzのパルス波形の電磁波伝播を対象とし,地中の二層の比誘電率分布を全波形逆解析で求めた.
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37) 地中レーダデータの全波形逆解析に向けた物理情報を組み込んだ深層学習モデルの適用 | ||||
○及川 航貴(1)(2)・斎藤 広隆(1) 1:農工大,2:日本学術振興会 |
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6月6日 | 10:20〜10:40
埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故は、社会問題になっている。道路陥没を未然に防ぐために、これまで地中レーダを利用した路面下空洞探査が行われてきた。今回の陥没事故を起こした下水道管の深さが10mであることを考えると、路面下空洞探査は探査可能深度が1〜2m程度と浅く、地中レーダによる探査深度の向上が求められている。しかし、地中レーダにより探査可能深度10mは実現可能なのであろうか。これを実現するには地中レーダのハードウェアとしての機能と、地中の電波の減衰特性について検討する必要がある。しかし、これらの問題について十分な検討がなされないまま、探査可能深度に対する期待ばかりが高まっている。本稿では、探査可能深度10mの実現可能性について、主に地中における電波の減衰特性に着目して検討する。
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38) 地中レーダにおける電波の減衰特性についての検討 | ||||
○鈴木 敬一(1) 1:公益財団法人深田地質研究所 |
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セッション | [地震3][防災3][その他] | |||||
座長 | 小西 千里(応用地質) | |||||
6月6日 | 11:00〜11:20
Artificial Neural Networks (ANNs) were applied to an inversion of a phase-velocity dispersion curve to estimate an S-wave Velocity (Vs) structure. A new ANN was developed with smooth transitional weights from the input neurons of the phase velocities at neighbor frequencies. We trained the smoothed ANNs using synthetic Rayleigh wave phase velocities for randomly generated three-layered models. Using unseen test datasets, we found that the smoothed ANN has the ability to approximate the true Vs profiles with a misfit of less than 10%. Using synthetic test dispersion curves with different Gaussian noises, we observed that the smoothed ANN is more robust against high-amplitude noises than the conventional ANN. The smoothed ANN was applied to actual dispersion curves observed at three sites in the Nile Delta, Egypt. Good agreement is detected between the observed dispersion curves and the calculated curves for shallow Vs profiles estimated in the smoothed ANN.
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39) Phase Velocity Inversion using Artificial Neural Networks with Smoothing Constraint for Shallow Shear Wave Velocity Profiling | ||||
○Mohamed Maklad(1),Hiroaki
Yamanaka・Seiji Tsuno(2) 1:Science Tokyo,NRIAG,2:Science Tokyo |
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6月6日 | 11:20〜11:40
監視カメラを用いた映像ベースの監視手法は広く普及しているものの、プライバシー保護や死角の問題、夜間や悪天候での検出精度低下といった課題がある。地震計による監視はそれらの課題を解決できる手法の一つである。本研究では地震計を用いた振動データから移動体(車・人)の識別と位置追跡を行い、防犯支援への応用可能性を検討した。CNNによるスペクトログラムの分類では92.6%の精度を達成し、誤検知も多数決処理等で大幅に低減可能であった。複数の地震計を用いた相互相関による震源位置決定も実施し、震源位置が地震計アレイの内外どちらにあったとしても追跡可能であることを確認した。さらに分類と位置決定を合わせた計算時間は5秒間の振動一つ当たり約0.08秒で、防犯システムとしてのリアルタイム運用にも十分対応可能であることを確認した。
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40) 振動データ解析とAIによる移動体の検知、識別と追跡 | ||||
○大井 勇希・辻 健・Ahmad Bahaa
Ahmad(1),野村 雅俊・野村 亮太(2) 1:東大,2:(株)ウェーブレット |
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6月6日 | 11:40〜12:00
地震災害は局所的な被害が特徴であり、正確な被害把握には高密度な観測が必要である。しかし、観測網の整備には費用や設置制約など多くの課題があり、実現は容易ではない。そこで本研究では、限られたデータから任意地点の地震波形を予測する機械学習手法DeepONetを提案した。DeepONetはブランチネットワークに地震波形の2次元画像を用いることで、複雑な地下構造を効果的に捉え、少ない情報からでも高精度な波形予測を可能にする。数値実験では、複雑な地下条件下においても良好な予測結果が得られ、本手法の有効性が確認された。今後、実測データや多様な地質条件を取り入れることで、さらなる精度向上が期待される。迅速かつ低コストな波形予測は、被害推定や緊急対応に資するものであり、防災対策の強化に大きく貢献すると考えられる。
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41) 機械学習を利用した地震波形予測の試み | ||||
○松岡 俊文(1),東 宏幸・小田
義也(2) 1:深田研,2:都立大 |
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6月6日 | 12:00〜12:20
われわれは過去に局所的に変化する被害が発生した地域を対象に,超高密度な臨時観測と機械学習の手法を組み合わせることにより,過去の被害地震の地震動を高密度に再現し,被害状況と比較することを目指す。宮城県石巻市桃生町において超高密度観測を行ない,機械学習の手法を用いて,少数の参照点の記録から他の観測点の記録を予測した。観測した地震とデータ拡張技術によって作成した地震を使ってAIモデルを学習した。学習済みモデルを用いて参照点3点の場合と1点の場合について,残り全観測点の地震動の予測を行い,実測結果と比較した。その結果,参照点3点の場合は予測と実測の相関係数が0.77, 参照点1点の場合0.65と良好な結果が得られた。
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42) 機械学習を用いた仮想地震観測網の構築 ―観測点ごとにAIモデルを設定する方法― | ||||
○東 宏幸・埜中 翔太・谷村 晃希(1),渡辺
俊樹(2),白石 和也(3),小田 義也(1) 1:都立大,2:名大,3:JAMSTEC |
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